國家は私達から、乙女の夢まで、取上げてしまふのでせうか。

結婚

女の子と付き合うこと、デートのこととかよく考えてるけど、おれの年ならばもう本来は結婚とか
そういうのを考えるもんだよな。ふつうは。第一おれの年で、中学、高校の娘、息子がいる人なんて
あたりまえにいるわけだしさ。会社とかじゃそれなりの地位だったりさ。でもおれにはカネも
ステータスも縁がないからなあ。人並み以下だからなあ。今に限らず。人並みになりたいなあ。
そんなことはともかく、結婚願望とかってないんだよなあ。べつに。昔から。女の子と楽しく
遊びたいとは思っても生活なんかしたくはない。生活なんて、もう充分、おなかいっぱい、
要らないもん。浮世離れしたいとしか思えない。結婚に幻想なんか抱けない。抱いたこともない。
結婚=生活、としか考えたことがない。掃除や炊事洗濯、経済、肉親との付き合いをどう遣り繰りするか、
ってのがおれの考える結婚で、全くそんなの楽しくはない。もちろんメリットはあるし、
よい結婚はよいものだ。けどおれの性格と経済状況じゃ、よい結婚なんか出来そうにはない。
それ以前にひとりで気まま、がおれの望みだしな。そもそも。それもまた出来るもんでもないけどさ。
実際には。生活なんて年食えば尚更に煮詰まる一方にしか過ぎない。第一カネがない。なさ過ぎる。
この年で。結婚も無理だが、ひとりでやっていくにも相当に不安には違いない。でもま、
なんとかなるもんだよ。思った程には物事わるくはならない。それが教訓。とはいえけして
よくはなるもんでもないけど。ヒドくなきゃ、それでラッキー。そんなとこで。
結婚する気は特にないが、どうせするなら美人のパティシエとがいいな。そうすれば経済的には
ひとまず安心、やっぱ手に職だよね、おれの稼ぎが大したことなくても、それならばやってはいける。
それにパティシエってのがおれのガーリー趣味を満たしてくれるし。夢があるなあ。ところざわに
評判になるようなケーキ屋さんを出すのが夢。おれが出すんじゃないけど。たまに雑用とか
手伝うのがいいな。そういうのがうれしい。おれ自身はけしてよい仕事にも就けないし、
低所得だとしても、かみさんがちゃんと稼いでくれているのなら、同じ仕事してても、どこか気楽だ。
とかなんとか言っても、当然美人のパティシエと知合うすべもないし、ましておれのことを
好いてくれる望みは遥かに薄い。実利的にちゃんと動ける人から見たら、おれみたいなタイプは
現実的なパートナーとはみなせないだろう。それなりの仕事に就いて、おれの年頃ならば年収、
最低でも500万円はなければ、ハナも引っ掛けてもらえないし、実際結婚したとしても危うい。
おれは世間渡りの上手い方じゃまったくないが、といって現実離れした考え方を好むような人間でもなく、
ちまちまとしており、そういった点では現実的だ。冷静に自分の現況を評価するくらいは出来る。
してみるとその結果は、アウト!だ。欄外。番外。そんなヒドいってこともないんだけど、
毎日割り方平穏だし、でも不確定要素、不安要素が多くてなあ。現時点、よい仕事に就いてない、
ってのは全くに致命的じゃないか。貯金もないぞ。それでも若ければいいが、来年間もなく
42歳ではなあ。人付き合いもヘタくそだしなあ。
どうなっちゃうんだろう?時々不安、のち晴れ。