國家は私達から、乙女の夢まで、取上げてしまふのでせうか。

犬猫

『犬猫』(asin:B0008JH80I)がDVDになり、なおかつ一週間レンタルになったのを機に再び観る。
(いうまでもなく観たことない人は下の感想は読んじゃだめだyo !! )
いつもならあんまり見ることのないメイキングやら未公開映像まで観ちゃった。
そんでそちらを観ると榎本加奈子は華やかで芸能人オーラがクッキリハッキリ出てるし、
藤田陽子は美人だし、しっかりしてるし、映画ってやっぱウソなんだ、ってちゃんとわかる。
だってこの2人、映画の中ではどこか鈍臭いフツーの女の子にちゃんと映ってるんだもん。
あととっても用意周到に映画は撮られていて、自然に見えるものほど実は作りこんである、
ってのがよくわかった。キアロスタミとかな。
今回、2度目の鑑賞で印象的だったのは登場人物のファッション、
特にヨーコ(榎本加奈子)のそれ。(そして彼女の掛けているメガネはスタッフと
榎本本人の数名でメガネ屋へ赴き、ちゃんと選んでいるのだった。)
で、ヨーコがジーンズ履いてたり、スズ(藤田陽子)が赤いコート着てたり、その他
髪型からメイク、上記のメガネ、スニーカー、などなど、けして特別に可愛いとか
ファッショナブルとか、あんなカッコしたいとか、憧れちゃうとか、そういう感じでは
なくて(でもまあ映画がよいので観ている内に愛着も湧き、ああいうのもいいなあ
とか思わないでもないけど。それがシネマジック〔注意:SMビデオの会社のことでは
この場合ありません〕)、ああいうトコに住んでるあんな感じの女の子
だったなら、あんな風なもの着て近所歩いてそう、家の中ではああいうもの着てそう、
そしてヨーコ、スズ、それぞれの性格を反映したカッコになっていて、それは少しだけ
出て来る小池栄子も、スズとヨーコに絡む男の子2人のカッコもそうで実に微妙な
ラインを突いてくるんだよなあ。いいなあ。(ちょっとださい、でも好ましい。)
そういう細やかさと的確さが好き。
(ほんとうはヨーコの着ているボーダーのシャツがどうのとか、着ている物の
いちいちに言及して話をしたいけれども、毎度ながら惜しい悔しいことに
ファッション用語とかにおれは疎いのだった。)
そうしてそんな服や小物、屋内屋外の様子などが形作る雰囲気と連なる彼らの場面場面での表情。