國家は私達から、乙女の夢まで、取上げてしまふのでせうか。

塚本晋也

この前観た『female』、塚本晋也による「玉虫」、これがロケ地、埼玉県川島町、
川越の隣りとでもいえば少しは分かりやすいか、おれの現在住んでいるところ、
実家だが、もまた言ってみれば川越エリア、川島町ならば近所とはいえないが、
エリア的にはいっしょ、車で行けばつい通る機会もあろうところ、しかしだ、
そんなわけで映画だと最後に「東京まで390Km」とか出てたけど、幾らなんでも
そんなには離れてないよ!確かに田んぼと畑ばっかしだけどさ!
〔以下、もちろんネタバレに違いないのでまだの人はテレビの方にでも
首を向けて目を逸らすように〕
「玉虫」は原作読んだらラストシーン、雪が降り始める。でも映画では真夏だ。
その暑い中を石田えりが「じじい」の元へと自転車を漕ぎつつ、
しかも「じじい」への思いでサドルでオナニーしながら向かうのだが、
彼女、件の「東京まで390Km」の表示を見るにつけ、その「東京」方面へと
自転車の漕ぎ先を向けるのだった。
(なんだ、これでは単に場面の説明じゃんか。)
その他、原作を換骨奪胎、おのれの手中に収め、ぜんぜん自分の映画にしちまっていて、
告白するが、おれは未だ『鉄男』さえ見たことがなく、塚本晋也といえば
おれにとっては『とらばいゆ』の気の弱い旦那、あれのイメージしかないのだが、
「玉虫」観て、ようやく取っ掛かりが出来たかも知れない。
なんつうかさあ、見逃しちゃって来たから、今更にビッグネームだと思うと
気軽に観れなくなってしまう。そういうのってよくあるが、塚本晋也
おれにとってはそのひとつ。未だクリア出来ない。他だと『E.T.』とかな。
『未知との遭遇』ならば好きで何度か観てるんだけど、『E.T.』だと構えてしまい、未だ。