國家は私達から、乙女の夢まで、取上げてしまふのでせうか。

くらげが眠るまで

これ、昔ちょっぴり目にした憶えはあるなあ。
やっぱり猫が好き」の2番煎じで、でも出来損ない、ってたぶんそん時思ったはず。
で、いまあらためてこうして見てみて、印象はそうは変わらない。
会話の妙に満ちた脚本があって、あとは限られた登場人物だけ(「猫」なら3人、「くらげ」なら2人)。
その設定の上に乗って役者たちが自由に芝居をする、とういうパターン。
ビデオで3巻あるうち、まだ1巻きりしか見てないけど、目論見は成功していない。
イッセー尾形がなんか永作博美に負けちゃってる。
永作・ribbon・博美の方が芝居が伸びやか。見てて楽。
イッセー尾形は演じながら迷ってるように見える。ちょっと見ててきびしい。
いまのところそんなわけで2人が噛合ってるようには思えない。
(どうしたんだ。この冷たい書き方は。おれ様って、クール・クイーン?みたいな。)
そんなわけで脚本云々以前に、なんとなく見てはしまうんだけど、
もうひとつ迫って来るものがないなあ、そんな感想っす。
「すいか」市川実日子のベシャリがうつってしまい、つい「〜っす」としゃべりたくなる仕掛け。)
深夜に見てる分にはそれなりに和むものもあるけれど、でも「やっぱり猫が好き」と
くらべちゃうよなあ。これはどうしても。
そうするとその時点で、アウトの判定になってしまうのは否めませぬ。
そんなわるくはないんだけど、なんかもの足んない感じ。
ガツンと来ない。
てか、木皿泉だと思えばなんかガツンと来て欲しいと思ってしまうのでこれまた損。
まあ出来自体がなんか半端なのも確かだしなー。
この「くらげ」はきっと木皿泉に場を与えたいと思った人が、「猫」もあったし、
その流れで今度は木皿泉メインでやれないものかと番組を制作したと踏んだ。
でもそんな話題にもならなかったし、気がつくと3、4年ほど経ち、
なぜか今度は日本テレビに唐突、という感じで木皿泉は出現したのでした。
まあ、ふつうにTV見てるだけの人間にはそのへんの経緯は見えないけれども、
でもこの「くらげ」もまたなんかしらのキッカケにはなってはいるんだろうなあ。
視聴率とか知名度ってのは「くらげ」じゃ稼げなかったわけだけれども。
さらに「すいか」も一部視聴者のみ知る、って展開だったし。
でもそうはいっても着々とブレイクはしていたともいえるか。
深夜ドラマ⇒夜9時台をワンクール⇒同時間帯で今度はヒット作!って、感じだしね。
それ以前のラジオドラマ時代とかが不明だけど、とりあえずTVドラマという枠に限り、
安いこと、言ってみました。