國家は私達から、乙女の夢まで、取上げてしまふのでせうか。

日記Pt.3

そんなわけで今日歩き回りながらいっぱい考えて、中には上手いことばの組み合わせもあったんだけど、
その場で消えて、そいつをそのまま思い出すだけの才もない、骨子は憶えちゃいても、それじゃあなあ。
まあとりあえず思いつくままに、以下。
アワーミュージック [DVD]
前から何度も考えてはいて、でもちゃんと書き下したことのない、
けど以前ちょろっとそれらしいことは書いた、
ゴダール「アワーミュージック」からモンタージュによるマジック、
男女別々に表情を撮り、それを編集する。
するとそこには生じるものがある。「愛」ってやつだ。
じゃあ、それを見ているのは、そこには本当には存在しない「愛」を見出しているのは誰か?
そう、観客である我々なのだ。


映画ではそういうマジックがモンタージュという技法により可能だが、
そうゴダール、映画の申し子、物言う時にも例えるのは映画、
そして更に彼氏、「愛」といった場合、独身の男女の間のそればかりで家族が欠けてる、
しかしそんなのは彼氏のクセ、人それぞれ得手不得手はあるという按配、
そんなこんなはともかくも。
ならば彼は云う、この現実の世界でも異なる2つのものをモンタージュすることもまた可能なのじゃないか?と。
男と女、イスラエルとパレスチナ、黒人と白人、あなたとわたし、その他その他、
相対立すると思われるものをモンタージュすること。
ただの「+」を「LOVE」に置き換えること。
1+1はだから2ではない。
I & YOUの「&」を「LOVE」に変えること。
もし革命というものがあるとすれば、きっとそのことだ。
そう、つまり、
I LOVE YOU
なんて青臭くて陳腐なメッセージ。
All You Need Is Love、だって。
こんなおセンチな、ド真っ直ぐな、ばかみたいなこと、
いい歳こいて未だに平気で口にしやがって。
くそ、泣いちゃうじゃんかよ。
人を救うのはでも陳腐でごく浅いことだ。
ちょっと抱きしめてもらったり、泣き言聞いてもらったり、微笑みかけてもらったり、
「こっち来いよ」とか「いっしょにメシ食おうぜ」とか
「ありがとう」とか「ごめんなさい」とか言ったり言われたり、
なんだかそんな程度のことで。
だから愛ぐらい安いものだ。ほんとは。
なら大安売りすりゃいいじゃん。世界中で。
幾らでもほんとは余ってるんだから。愛だなんて。
あなたとわたしがいる限り。