國家は私達から、乙女の夢まで、取上げてしまふのでせうか。

フランス映画

エリック・ロメールの『冬物語 [DVD]』とフランソワ・トリュフォー
緑色の部屋』(これは今現在DVDは出てないっぽい)を観ました。
『冬物語』は体調もあって、ねむくて2、3回に分けて観てしまったり、途中ほんとねむくて
(映画の出来のせいじゃなくて、ほんとに単にねむかった)なにやってんだか
わかんなくなったりしてしまい、気がつくとねてる、あまりよい状態で
観たとは言えず残念。ただ『緑の光線』の方がどちらかっちゃ好きかなと思った。
今回もまたふつうのおねーちゃんが主人公で、でも彼女ちょっと変わってて、
そこらへんは『緑の光線』といっしょだった。
ほんで途中輪廻に関する議論が出て来たり、教会に行って天啓を得て男と別れたりして、
最後にはタイトルの由来が実はシェークスピアにあるということが判り、その勢いで
ファンタジックといっていい展開になり、あれれれと思いつつ、でも気持ちよく終わるのでした。
そこらへんの、普通話が象徴的に展開して終わり、ってのもやっぱ『緑の光線』といっしょだった。
ロメールって大体このパターンなのかしら。
他のもこうなってくるとまとめて観てみたいわ。つうか、こんなことだけ書くとちょっと勿体無いね。
これだけじゃないし。大体。まとめちゃいかんよな。まとめたくなるのは人情だけど。
他にももうちょっと具体性のある細かいことを付け加えたいところだが、
いまは手持ちがないのでこれにてロメールは打止め。
で、トリュフォー。『緑色の部屋』、確かに変人が主人公には違いないけど、でもそれ以上に
おれには映画自体がヘンに見えるのだった。というか、どこか理解不能なところがあって、
トリュフォーの映画っていつも。どうしてももうひとつ理解できない。
「難解」の代表のように言われがちなゴダールの映画が実はぜんぜんわかりやすいのと違い、
トリュフォーの映画っていつでもおれには不可解だ。よくわかんない。
どこがどうって言えないんだけど。感覚的に。大して観てないけど、せいぜい
あこがれ・大人は判ってくれない〔フランソワ・トリュフォー監督傑作選1〕 [DVD]』ぐらいだなあ。まだしもピンと来たのって。
突然炎のごとく〔フランソワ・トリュフォー監督傑作選9〕 [DVD]』からしておれにはもうひとつ理解できなかった。
ただわかんないからまた常に妙に気になるんだよな。だから観るのにいまひとつ
食指が動かないにも関わらず、観てないことが気になり続けている監督でもある。
いつか理解したいんだよな。堪能したい。だってみんな好きっぽいしさ。第一有名じゃん。
フランス映画の人としちゃ、中でも。だからおれもその仲間に加わりたいんだもん。
『緑色の部屋』ももひとつわかんないにも関わらず、一方魅力もやはりあって、
なんか観てしまう。でもやっぱわかんない。それが悔しい、もどかしいのでした。
ヘンな映画だったよ、ともかく。
(殆ど知ってるわけでもないけど、イメージだけで言うんだけど)なんか2、30年代くらいの
ハリウッド映画みたいな感じがした。今現在とはどこか相容れない倫理観が支配している感じ。
小さい身の回りの話なのに、どこか夢幻世界の話のような不思議な感じがあって。
タンバーグの『上海特急 [DVD]』とかさ。
(ここらへんゆってること、適当なのであまり本気にしないでね。スタンバーグがどうとかさ。
曖昧もいいとこの記憶と印象に基づいています。)
『緑色の部屋』、確かに変人の映画ではあるんだけど、でもそれが直接に「ヘン」て感じる
原因じゃない。映画そのものがどこか「ヘン」。それはおれにとってトリュフォー
他のどの映画でも共通。特にその「ヘン」さが映画の内容と相俟って、まるで
プリズナーNO.6〈コレクターズボックス(6枚組)〉 [DVD]』みたいでSF映画としてはまったくその奇妙さが
恐怖を煽り、それが結果よかった『華氏451 [DVD]』なんてのもありました。