國家は私達から、乙女の夢まで、取上げてしまふのでせうか。

少年メリケンサック

少年メリケンサック」も見たね。この前ね。
真夜中の弥次さん喜多さん」はすごくよくて心に来るものがあって確か短い間に3度ばかりみたりした。
少年メリケンサック」は中身スカスカだったなあ。まーそれでもべつにいーんだけど。
「真夜中の〜」はいわく言い難い部分があり、それがクドカンの中のいわく言い難いなにかで、その表出と感触がよかったんだ。(抽象的な感想なのは上手いこと言えないせいで、要は逃げを打っている)
少年メリケンサック」は単に脚本の不備とか言ってることがどこか頓珍漢だとかそんなことはオマケでどうでもよくて、ただ引きつけられるものがここにはなかったんだ。いくつかいいとこもあるけど(宮崎あおい三宅弘城、若い時代のメンバーたちの様子・それを演じる若い役者たち、等々)、でも足りない。
クドカンのバンドものっていうと「アイデン&ティティ」もあったけど、あれもだめだったなー。おれ。
クドカンの書いてる芝居は随分と昔1本だけ見たことがあるけど、それはおれには松尾スズキの芝居よりもおれには感じられるものがあった。
池袋ウエストゲートパーク」「木更津キャッツアイ」「タイガー&ドラゴン」、どれもこれもとてもとてもよかった。好き、だった。
考えてみればその3つのTVドラマはいずれも青春譚で、「真夜中〜」にしたって若い弥次さん喜多さんで、クドカンは青春の作家で「少年メリケンサック」は中年男たちの話を描こうとしていて、つまりは、
クドカンは死や冥界、いわく言い難いものが基底にある話がいいのかも知んない。作家としてそのとき、「生きる」。けれど「少年メリケンサック」のようにただ今現在、単純に現世しかない、現世しか感じられない作品だと、「言いたいこと」が単にことばでしか出て来ず、その「ことば」たちはあまり魅力的じゃないのだった。
木更津キャッツアイ」、だってあれはどこなの?少なくとも現実の世界じゃない。
じゃー「タイガー&ドラゴン」は?とかあるが、そこらへん上手いこと言いくるめるようなことを言いたいのだが、アイディア不足。ヘリクツを押し通すには頭がまわんない。第一、ねむい。
主要な作品を取り上げて、クドカンが魅力的な時とそうじゃない時をまさぐりたいんだが、おっぱいが見つからない。