1Q84
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- 作者: 村上春樹
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まとまったもの書くには根性もないし勢いもないし日常に疲弊してかったるいのでこうして日々「1Q84」の感想を思いついた順に綴っております。今日は雨です。
青豆はいまどきに「殺し屋」で、しかも秘孔を突くというワザを使うという、いったいいつのはなしだ、みたいな古風な風で、でもそれがイイネ。
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作中短編「猫の町」について書くべきだがアイディアに欠けている。できればでたらめなこと書きたいんだけどなー。あるいは捏造。
天吾の父親はソ連軍に捕まるのを免れて帰国するし、タマルは戦災孤児だったりする。「1Q84」にはつまり日本が数十年前にやっていた戦争が影を落としているが、つまりそれはまた村上春樹が団塊の世代まっただ中、「戦争を知らない子供たち」のうちのひとりで、それでいてなおかつ戦後の匂いも知っている世代でもあるということで、それで思い出すのがピート・タウンザントが先だってのザ・フーのドキュメンタリー「ザ・フー アメイジング・ジャーニー」でガキの頃、ロンドンは空襲の後も生々しく、そういった中でおれたちは育ったんだと言っていたのともうひとつ、ロジャー・ウォーターズが自分の父親と第二次世界大戦への拘りのようなものを抱えて作品を作っていたということで、キンクスにだって「Mr.Churchill Says」とかあるしね、といって、さてどうしよう?オチがつけられない。
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おれくらいの年でも、戦争ってのはドラマなんかじゃ大概にテーマだった。NHKの朝の連続テレビ小説では必ず太平洋戦争を挟んだ女の一代記だったし、戦争をじかに知っていた人たちがまだまだふつうにいたのだ。たぶん「おしん」を最後に太平洋戦争絡みのドラマは急速に減っていったのだと思う。そう、それが80年代、つまりは1Q84、と。あー、オチがついた。
ペットボトルが84年にあったかどうかってことだけれど、これは大体小説で、そもからウソっぱち、べつに時代考証がいちいち正しい必要もないし、作者、意図してそういう時代考証無視をしているのかもしれず、小説終わると最後に新潮社からのお知らせ「本作品には、一九八四年当時にはなかった語句も使われています。」というのはまったくの蛇足には違いないけれども、まー会社ってのはクレーム対応が大事、しょうがない。
時代考証をスットばすっていうといつでも夢を、思い浮かぶのは筒井康隆の「ヤマザキ」で、これは信長の時代だのに新幹線で移動したり、電話をかけたりしていたハズで、小説だもん、それでいーじゃない。
- 作者: 筒井康隆
- 出版社/メーカー: 新潮社
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後半になるとそれまでの登場人物がどんどん「失われてしまう」
安田恭子やあゆみのように如何にも「失われた」人物だけでなく、戎野先生も老婦人も小松もすでに登場せず、タマルは電話でしか出て来なくなる。にぎやかだった登場人物がさらさらと消えてゆく。きっと猫の町にどこかで入り込んでしまっているのだ。青豆も天吾も読者もみな。