國家は私達から、乙女の夢まで、取上げてしまふのでせうか。

「危いことなら銭になる」(ビデオ)

昔TVで観たのはもう20年とかそういった単位になるか、その時はなんか観てトクした気分だった。
それ以来、「♪やばいことなら銭になる」と意味もなく口づさむことも時折。
ともかくも当時おもしろかった。で、今回観て、やっぱりおもしろかった。
浅丘ルリ子がとにかくカワイイ。コメディエンヌっぷりがバツグン。
(一番好きなのは彼女が電柱に上ってるところ)
他にも左卜全に武智豊子の夫婦だもん、向かうところ敵なし。完璧な配役。
そして存外にヴァイオレントだったのが、今回の観直しでの発見。
黒澤明の「用心棒」の冒頭で犬が手首銜(くわ)えてトコトコ歩くのもこれくらいの時期で、
残酷描写が盛んになる端緒なんだろうな。この時期。ともかく血が出る。
「危い〜」でも開幕当初いきなり血が流れるのを意識的に映していて
「お。」と思ったら最後には尚更にヴァイオレントになるのだった。
ロケが多かったな。とにかく。
そしてお約束のキャバレーでは透明な板の上で踊り子さんが踊り、
それを下から眺めながら左卜全が贋札の原本を拵えるのだった。
透かし入りのキャバレーってのはなにも鈴木清順の専売特許ってワケでもなかったか。