國家は私達から、乙女の夢まで、取上げてしまふのでせうか。

結婚

おれの父親は得意はあれこれあり、メンコでもカブトムシ獲るのも得意、
そして運動神経のいいデブで、70歳過ぎたいまも週一でテニスしてる、料理も得意、
いろいろ器用だったりはするが、なのにともだちは昔からロクにいないし、
仲間先輩後輩の類もいない、人付き合いに乏しく世間知らず、性格に明らかに偏りがあり、
おれとしては父親なので心中複雑だが、でも愛してるかと問われれば、
愛してるんだな、これが、♪ I don't like you, but I love you
それはともかく、おれは料理や家事一般、庭仕事に畑仕事、野草取ったり、キノコ取ったり、
なんだかんだ、その手のことが出来てこそ、できないヤツぁ、半人前、
なんだかそんな風に思ってるところがある。そういうのが一通り出来ても性格に偏りが
あっちゃ台無しだが、でもうちの父親に限って言えば、その手のこと一般ができた御蔭で
いろいろあったが、結果家庭がなんとか治まり、今に至る、だともいえる。
うちの母親なんか、あんまり台所仕事離れてるもんだから、炊飯器の予約の仕方が
わかんなかったくらいだもんな。つい最近のこと。
で、この話の落としどころは果たしてなにかしら?ええと。今考えるね。
・・・・ふむ。つまりはだ、もう42歳、料理は出来るとはいえず、その他家事一般も
さして得意でもなく、ましてキノコ取りなんざ全くに出来ず、ともだちも大しておらず、
収入は乏しく、下層労働者、なのにドンブリ勘定しか出来ず、彼女もおらず、
結婚も出来ず、またする気も、よせばいいのになく、結婚は生活の必要上、すべきだと
思いもする、低所得ならば尚更、選択の余地のあるもんじゃなく、生きる、
生活する手段として、つまらなくとも面倒でもヤなことあっても仕事には行くのと
いっしょ、「結婚は我慢」とは母親の言、一人暮らしは文明の御蔭ってだけで、
本来は無理矢理なことでしかなく、じっと一人でやっていけるほど人はそれほど
強くはない、カゼひとつ引いただけでもう絶望の淵に佇んでしまう、それに一人を
我慢する必然もない、そしてもちろん結婚はまた更に墓場かも知れず、幸福を望めず
かも知れないが、とりあえずの手立てとしては、結婚するに如かず、でもそもそも
結婚とかしたくねえなあ、そんなもんしてどうすんだよ、とか思うようになったのは
両親を見てて、なんだかぜんぜん楽しくなさそうだなあ、ってのが元々のあれ
なんだよなあ。でも一方、年取ったおれの両親は、それなりにはなんとかなってて、
結婚にもメリットもないじゃなしとか思うようにもなったりもする昨今、
妹は結婚してて、ちゃんとやってて、そのことはまたおれの心の支えでもあり。
でもまたおれには両親みたいな生活、生き方はできねえなあ、とも思う。
ある種のつましさ、それはおれにはちょいとできない。
ええとそれでなんだっけ?おれは半人前だし、カネもないし、これからどうなっちゃう
んだろう?ってことなのかなあ。結局。まあ結論とかはどーでもいいや。おれって
中途半端だなあ、パッとしねえなあ、これからもどうなっちゃうんだろうねえ、
現実問題困ったねえ、とかなんかそんな感慨か。とにかくそんなとこ。たぶん。