國家は私達から、乙女の夢まで、取上げてしまふのでせうか。

真夜中の弥次さん喜多さん

そんなわけで昨日近所のシネコンで2回目を観て、今日はmagma890さんと
としまえんのユナイテッドシネマで3回目を観て来たのです。
で、『弥次喜多 in DEEP』をmagma890さんに借り、1巻目を読んだり。
で、原作はこんな感じなんだ。ふむ。おもしれぇ。
(2回観てようやくストーリーを把握し、初期に書いた感想はやはり事実誤認、
でも要は尤もらしいのが書ければそれで満足、あれはあれでいいや。なにかをダシにして
自分の文章綴るのが毎度のミソ。)
原作に思い入れ深いmagma890さんの感想は以下。
http://d.hatena.ne.jp/magma890/20050430#p2
(原作に思い入れのある人にはちょっと辛いかもなあ。確かに。
おれは映画版はもちろん大好きだし、原作はちょっと読んだだけだけど、これまた
別に好きになれる。ただ、思い入れをするには連載時から読んだり、自分の人生込み
じゃないと中々そうも行かず、既に若くないおれにはもうそのチャンスはないけれど。
それはまたべつの話。)
でもこうして感慨の違う2人がいっしょに同じ映画を観れる、そしてそれぞれの思いが並ぶ、
ってのはちょっとわるくないんじゃないかしら。だっていろいろとあった方がいいじゃん。
magma890さんの感想はまた当たってもいるし、読み応えもあるゼ。
で、おれは2回観て、ようやくストーリーも把握し、遅蒔きながら感動。3回観て
ますます好きになりました。すべてがいい。全部好き。
で、おれの場合は「クドカンだから好き」「クドカンだからおもしろい」。
だってファンだもん。それでいいと思ってる。
クドカンファンなんだぜ!イケてるだろ、おれ?!」ってことで鼻高々、
それもまた楽しいことだもん。
みんなでクドカンの話したいし。オシャベリしたいし。
(オシャベリがいかに盛り上がるか。それが肝心要。なによりの楽しみ。)
それに「たかが映画」だし。(でも好き!なんだよなあ。仕方ねえ。)
第一「たかが映画」、人類の誰一人救われるわけじゃなく、単なる娯楽、暇潰し、映画観てて、
不幸な境遇にある人に涙しても、映画館を出て、ホームレスが道端にいたり、
ちょっとした知り合いや家族に困ったことがあったりしても、そんなのに関わるのは
メンド臭くて鬱陶しくて、映画観てても実際自分の振舞いになんの変化もきざさない、
単に観てる間、自分が楽しいだけ、感動してるだけ、のもんでしか、結局ないから。
映画なんて究極、娯楽、趣味、ただそれだけ。でも観てる時はなんか人類が、自分が
救われるかの幻想にしばし浸れる、まったくにいい気なもんでしかないんだもん。映画なんて。
人はどのみち自分の人生・生活に手いっぱい、そしてそれさえ制御できない場合が多々。
生まれて生きてそのうち死ぬだけ。
その中のいくつかの小さな点。それが映画。その程度が映画。
だからちょっと見所があったら、それで合格、敢えて細かいことなんか云わない。
イイとこひとつでも多くめっける。それがおれの当座の目標。
そしてより好きになるべく努力する。せっかくだからもっともっと味わいたいから。
美味しいものは皿まで舐めたい。
あと、なにかを「純粋に」好きだったり評価しなくちゃいけないってのはぜんぜん思わない。
猥雑でごちゃごちゃしてて、気持ちはあれこれしてて、人の顔色窺ってて、ちょっと卑怯で
自分語りで、カッコつけで、かと思うとくだらないことが好きで、そうだ、劇場には
クドカンなんかあんまり知らないだろう子たちもいて、彼女ら、ケハハ笑ってた、おれは
内容なんかわかんなくても「くだらないなあ。おもしろいなあ」っていう人も
それなりにいて、それがそれでまた家でDVDとかじゃなくって、劇場で『弥次喜多』観てて
楽しかったりもした点で、とにもかくにも「好き」の中身はいろいろで、流行りに弱いのも
またアリで、でもそう穿つ以前に単にみんな「好き」でもアリ。きっちりとした分け目
なんかあるじゃなし。それでいいんじゃないかしら。そう、「いや、ほんとに好きなの?
きみたち?」ってな問いが発せられるのも、これまた映画だのなんだのには付き物で、
その疑問自体が紋切り型だとは思うけれども、そういうのもまたあって、みんなで
ゴチャゴチャ言って、ケンカとかしてみたりして、そういうのも込みで映画とか
なんだとかはいつもあって、別に結論なんか出たんだか出ないんだかわからぬ内に、
またまた新しいモンがやって来て、毎度御馴染みの、好きの嫌いの、流行りモンじゃねーか、
そんなもん、いやいや、そんなことはどうのこうの、いつもながらの繰り返し、
それもまた人類の娯楽。
人生はゴチャゴチャしていて、どのみちスッキリとなんかはせず、気持ちはいつも
モヤモヤ、そして気が付くと死んでいる。エロ本片付けるヒマもなく。