國家は私達から、乙女の夢まで、取上げてしまふのでせうか。

すいかPt.3

第三回も見た。
1回目で教授(浅丘ルリ子)は「20世紀少年」を読んでいた。
2回目で教授はアポリネールの「ミラボー橋」を口づさんでいた。
「野ブタ。」ではキャリーの引用があったけど、木皿泉、案外に引用とかもっとあるのかもなあ。
教授がケンカをするのは、ロケ地、井の頭公園ぽい。
早川(小林聡美)が路上演奏に100円玉いっぱいくれるのも、なんかそんな風に見えた。
「野ブタ。」では隅田川に程近いあたりだったし、「すいか」だと三軒茶屋。
木皿泉は神戸の人と聞くけれど、舞台は東京の下町めいたところで、
更にどこかしらSF趣味が垣間見られる。
SF仕立てということじゃなくて、話の端に宇宙のこととかが出て来たり。
そこらへんはどこか70年代ぽい。下町とSFの匂いのするドラマ。
「すいか」のように賄いつき下宿屋が舞台だなんて、いまならそういう設定はしないんじゃないか。ふつうは。
「時間ですよ」が銭湯が舞台だったのに近いものを感じる。茶の間に大勢が集まる感じ。
しかし違うのは家族が一通り揃わず、その分、他人同士が大きな家族を構成する
ホームドラマだということ。
「野ブタ。」もそうだ。
だから両親も揃っては出て来ることが殆どないのか。
下宿屋が舞台といえば「陽あたり良好!」⇒http://homepage1.nifty.com/dorama/hiatari.htm
とか「めぞん一刻」なんてのもありましたな。
(いや、両方とも80年代なんだけどさー、作者の感覚としては70年代ぽいというか。
どこかレトロな感じがね。既に80年代としては。でも60年代だとまた違う。
学生というか、若者がもっと自由なところが70年代。モラトリアム。)
感想は上手く書けないなあ。ストーリーとかシーンをいちいちなぞりたくなってしまうし。
さてこうして登場人物の着ている物のいちいちに繊細なコーディネートが為されているドラマ、
それも非常にガーリーに統一されているドラマ、家具調度に至るまで、ってのはそうないようにも思う。
てゆーか、大体「ガーリー」とTVドラマってのはきっと相性がわるい。
視聴率が獲れない、という意味合いで。
一般ウケとはズレてしまうもんね。
そして「すいか」に出ているともさかは「ロッカーのハナコさん」でも
非常にガーリーにコーディネートを決めている。
(「ハナコさん」でもスタイリストの人が古着屋でめっけて来た一点ものとかを身に着けていたりする。)