國家は私達から、乙女の夢まで、取上げてしまふのでせうか。

渋谷陽一

日本ロック雑誌クロニクル』という本があるらしいが、これ、渋谷陽一のインタヴューが
取れなかったらしい。それじゃあなあ。
前々からずっと考えているが、渋谷陽一にインタヴューするって企画は絶対おもしろいはずなんだよな。
確かロッキング・オン社から出てる竹内まりやの本でも最後、渋谷陽一から彼女へのインタヴューがあり、
そこで竹内まりやが渋谷さんのこととかいろいろ聞いたら逆におもしろいのに、みたいな発言があって、
「そう、そう。」と頷いたこともかつてあった。(立読みだったけど。)だってわずか20歳かそこらで
雑誌を起こして、その後現在の成功に至る、ですよ。青年実業家(もう青年じゃないけど)の
出世成功物語だもん。これ、日経とかで出すべきじゃろう。「週刊ダイヤモンド」に連載したって
いいくらい(件の雑誌は渋谷陽一の愛読誌だった筈)。「プレジデント」で特集したいくらい。
けどまあ、関係各位がまだぜんぜんふつうに活躍中じゃあるので、なにかと差し支えもあって、
現実的にはむずかしいのかも知れないけど。でもあれだ、差し支えのない範囲、でも当たり障りが
あるとかないとかじゃなくてもあれこれトリヴィア的に物を聞いてったらそれだけで随分おもしろいと
思うんだけどなあ。あとかつて「RO」読者だった人たちをずらずらと並べるだけでも。
(積極的な読者だったかどうかはともかく、伏見憲明の名前を読者欄でおれは見つけたことがある。)
業界関係者、いっぱいいると思うんだけどなあ。「週刊文春」の後の方のグラビア・ページに
渋谷陽一が取り上げられたりしたことがあるのなんか、そういう感じだじゃないかと推測しているし。
岩谷宏エピゴーネンな文章書いてたって告白するような人だって、きっといるだろう。
そういうのんだけでもたのしいんだけどなあ。とはいえ渋谷陽一がまだぜんぜん現役だし、
しかも雑誌編集とかの世界の人であって、IT社長とかじゃないから、やりにくいっちゃやりにくいか。
同じ業界の人、ってことになっちゃうもんね。インタヴューするにしても。なんかやりづらいよな。
きっと。まあそんなことはともかく、渋谷陽一に聞いてみたいことを考えてみる。とりあえずひとつだけ。
「NHKで自分の雑誌のこと話してて、注意とかされませんでしたか?」
おれもそうだけど、たぶん渋谷陽一のラジオで「RO」の存在を知った人はきっと多いはずだもん。
(あのラジオでの効果は読者獲得に多くを預かったと思しい。)
いまみたいに近所の本屋でもふつうに置いてあったりはしなかったからね。おれは中学生当時、
川越在住で、紀伊国屋書店があったので、そこでのみ買えた。そうじゃなきゃ、手に入れるには
都心へ行くしかなかった。そのうち気がつくとふつうの本屋にも置いてあるようにはなったんだけど。