國家は私達から、乙女の夢まで、取上げてしまふのでせうか。

大谷健太郎

『とらばいゆ』、先日のつづきから最後までまた観る。

ああ。やっぱいいなあ。3度目でまたいいなあ。
でも未だに話の流れが掴めてない。おはなしを順繰りに説明しなさい、ともし問われても出来ない。
ほんと、苦手、そういうの。場面ごとに観てるので繋がりを忘れちゃう。
というか、元からわかってない。おれは。ストーリーとかなに見てても大概把握してない。
好きなとこはあそこもここも、なんだけど、とりあえずやっぱ盛上がるのは、
自分のアパートに訪ねて来た姉(瀬戸朝香)の旦那(塚本晋也)に
妹(市川実日子)が泣き言を言い、それから今度はその妹と姉の旦那の2人して
姉夫婦のマンションへ行くと、ちょうど妹の彼氏(村上淳)に姉が泣きついている
ところに出くわし、そのまま姉妹対決へと雪崩込むくだり。
ああ。もう。実にいい。たのしい。
そして姉妹での言い争いの場面ではしばらくその2人のアップになるんだけど、それがまたいいの。
(マンションへ訪ねて行くところから、言い争いがあって、最後、市川実日子
部屋を出ていくまでがワンシーン・ワンショットで、それがまた効果的でいいんだよなあ。
この映画、他にもワンシーン・ワンショットがいくつかあるんだけど、無理からのそれじゃなくて、
必要に応じてやってるので、それはまたカットを割って繋ぐ場合もしかり、つまんない、
気分だけのそれじゃなくてよいです。)
それより前、妹のアパートへ行った姉が妹の彼氏に余計なことを言ってしまい、2人の中を
こじらせてしまうんだけど、その後の3人の気まずい雰囲気、特にその原因を作って
しまった姉である瀬戸朝香の困って落ち着かない表情がすごくいいの。
ああ。どうしよう、どうしよう、って顔してて。目が泳いじゃってて。
なんか中途半端なにやにやした顔してたりするの。それがおかしくていいんだよなあ。
(ああ。この手の説明ってほんとだめだ。これじゃストーリーも把握できないはずだよ。)
大谷健太郎監督、新作の『約三十の嘘』は評判はよくないけど、
『アベック・モン・マリ』も観たいのに近所にもないし、この際観に行こうかしら。
(でも『とらばいゆ』が好き過ぎるのが難点。)