國家は私達から、乙女の夢まで、取上げてしまふのでせうか。

労働いろいろ

ローヤルゼリーのCMで女の子が印刷工場とか新聞屋で作業してるのがあって、
昔、ドラマなんかで社会的地位が高くない女の子が働いてるというと、
それは必ずラーメン屋の店員というキマリごとがあって、
この前「ガイアの夜明け」でカメラの製造工場かなんかで、生産効率を上げる為に
カメラの組立てを如何に早く出来るか、なんて話の時にカチャカチャと素早く
カメラを組み立てていたのも若い女性だった。
そして彼女はきっと派遣社員と思われる。
昔だったならそういったライン作業に携わる女性も正規雇いだったろうし、
映画「キューポラのある街」なんかじゃ最後、吉永小百合はキレイで大きな工場に
就職が決まって貧乏を脱出するのだった。それがまたなんかえらく楽観的というか、
まあそれを云ったなら「キューポラのある街」にはもっと決定的に
楽観的な場面もあるんだが、それはともかく、工員といっても、福利厚生とてない
小さな町工場みたいなところから、大企業で組合もあるような会社の大きく
現代的な工場で働くようになるってのは高度経済成長が始まったばかりの日本じゃ、
大層魅力的でもあったんだろう。
それが時が経ち、現在に至るとブランド物身に着けた垢抜けて、
そもそもが貧乏ともいえないような女性が、時給で労働条件もよいとはいえず、
派遣社員でたまたまそこに回されて来て、ライン作業に携わる、なんてことにもなった。
その場合、普段の、そしてそれまでの生活も「キューポラのある街」の頃から
比べたらひどく贅沢で、大学に行くのもそう大したことでもなく、中卒で就職どころか、
大卒で派遣社員、なんて昔の人に云ったら意味わかんないようなことにもなっており、
おれは話をどう落とすのか、実は決めてないので、いま困っているが、まあともかく、
世の中いろいろだなあ。(安直、というか放りっぱなしのオチで済ませてみせました。)

キューポラのある街 [DVD]

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