國家は私達から、乙女の夢まで、取上げてしまふのでせうか。

四半世紀

Hoople

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TVとか見てても、この人ってそうか、こんな大御所なんだ、まあそりゃそうなんだけど、
なんかふしぎ、そんな感慨がしょっちゅう。
20年前がそんな昔には思えない。というか、つい昨日。
それがつまりは年を取ったってことなのかも知れない。
そして例えば張本勲が日曜の朝、TVに出てきて「渇!」とかやってるじゃんか、
でも幾ら強い調子で云ってても、まるで好々爺って感じで、
おれは野球には疎いけど、でも小中学生時分に活躍していた選手はなんとなくは
憶えてはいて、そうすると現在の張本とか見ると、あれえ、こんなやさしげな人だったっけ?
ってすっごいふしぎな感じ。
おれの知ってる張本は見るからに怖い、目なんか絶対合わせるわけには行かない、
目つきの鋭い印象で、しばらく前のNHKアーカイブスで1977年くらいの
ドキュメンタリーの主役が張本で、いまとぜんぜん違う、すごいもぉ、なんてーのか、
♪ ナイフみたいにとがっては触るものみな傷つけた、そんな風で、
とりあえずこちらから先に「ごめんなさい」って謝ってしまいそうなヤバイ感じで、
それがなんかカッコよくて、見てるだけでドキドキしちゃったけど、
それが現在の張本はもうジジイで、目が笑ってるわけですよ、なんだかふしぎだ。
いつの間にそうなっちゃったの?って感じだが、しかしもう四半世紀以上は軽く、
バリバリの若手だった頃からは時間が経ってもいるわけで、つまりはおれの頭の中の印象が
(そもそも野球には殆ど関心がないのもあって)大昔で止まってるだけの話で、
現在の張本の好々爺風味にはべつになんのふしぎもあるはずもないってだけ。
で、まあそんな感慨が年中ある。誰彼に限らず。
芸人でも何でも彼らが若手だった頃のことばっかり思い出している。TV見ながら。
小池百合子見たって、竹村健一の横でアシスタントしてたおねーちゃんだよなあ、とかさ。
久米宏だって、おれには「ぴったしカンカン!」でさえ最近の話で、
TBSラジオ「土曜ワイドラジオ東京」で永六輔の使いっ走りをやってる印象だもんなあ、
それって何年前の話だよ、おれが小学校5年生とかの頃だから、
もう軽く30年以上は前じゃんねえ、まったくまったく。